過敏性腸症候群・機能性胃腸症
社会生活の中で私たちはなんらかのストレスを抱えているものです。そのストレスが胃腸のトラブルの原因になっていることはけっして珍しいことではありません。
- 仕事や学校に行こうとするとおなかが痛くなる、下痢になる
- 混んでる電車、大事な会議、試験など苦手な状況になるとお腹をこわす
- おなかにガスがたまり張ってしまう
- 一度排便してもすっきりせず、またトイレにすぐ行きたくなる
- 緊張するときりきりと胃が痛む
- 食欲が落ちてしまう
上記のような症状は、ストレスにより起こっている可能性があります。
一昔前なら『体質だから』、『根性が足りない』などと片つけられてしまっていたかもしれませんが、このようなストレスからくる胃腸症状は、今日では過敏性腸症候群(IBS)、機能性胃腸症(FD)という病気の可能性があり、治療により大幅に改善することができます。
体質、と割り切らずに、一度当院にご相談ください。
まずは胃や腸などの臓器自体に下痢や痛みを起こす器質的(物理的)な要因がないかを調べる必要があります。
当院では内視鏡検査を行っております。
検査の結果、そのような要因がなければ、問診、症状の経過から診断に至り、治療などを行います
過敏性腸症候群や機能性胃腸症の症状は、生活習慣の乱れや精神的なストレスによって引き起こされたり、悪化することが多いため、生活習慣を見直しストレスのかからない生活を送る事がとても重要です。
当クリニックでは生活習慣の改善指導はもちろん、適切な薬などを使用し、患者さんの体質やライフスタイルに合わせた治療をご提案いたします。
おなかの症状から解放されたよりよい生活をお過ごしいただくためのお手伝いをさせていただきます。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、検査をしても腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに、腹痛や腹部の不快感を伴って、下痢や便秘などの便通異常の症状が長く(数か月以上)続く病気です。
命にかかわる病気ではありませんが、お腹の痛み、下痢や便秘、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。
過敏性腸症候群の明らかな原因は不明ですが、大腸や小腸など消化管の運動異常や知覚過敏、精神的なストレスなど、複数の要因が組み合わさることで発症すると考えられています。
一方、過敏性腸症候群を悪化させる要因として、ストレスや生活習慣などが指摘されています。
過敏性腸症候群の症状
主な症状は、腹痛、腹部不快感、下痢や便秘などの便通異常です。便通異常は、下痢症状が多い「下痢型」、便秘症状が多い「便秘型」、下痢と便秘の症状を繰り返す「下痢と便秘の混合型」などに分けられます。
過敏性腸症候群の治療
症状の強さやタイプによって治療方法を選択します。
主な治療法には、
- 薬物療法
使用される薬剤にはいくつか種類があり、症状や体質、ライフスタイルに合わせて選択し、治療するなかで最も適切な薬を使用します。 - 漢方治療
- 食生活や運動習慣、排便習慣などの生活習慣改善の指導
などがあります。
機能性胃腸症
機能性胃腸症とは、検査で胃に炎症や潰瘍などの異常が認められないのに、胃のもたれや痛みなどの症状が長く続く病気です。「機能性ディスペプシア」ともよばれます。
機能性胃腸症の原因
主な原因として
- 胃の運動機能の低下
- 胃の知覚障害(知覚過敏)
- 胃酸の分泌亢進(胃酸の刺激を受けやすくなっている)
- ピロリ菌
- 心理的・社会的要因(ストレスなど)
などがあげられます。
また、過敏性腸症候群と同様に、生活習慣の乱れやストレスが、症状を悪化させる要因と考えられています。
機能性胃腸症の症状
主な症状は、「食後の胃もたれ感」「少し食べるだけでお腹が一杯になる」「みぞおちの痛み」「胃のあたりが灼けるように感じる」「吐き気、げっぷ」などがあげられます。また、不眠や体のあちこちに不調感があらわれることもあります。
機能性胃腸症の治療法
機能性胃腸症の治療も過敏性腸症候群と同様に、薬物療法などの内科的治療と食生活を含むライフスタイルの改善指導など、患者さんの症状や原因に合わせて行われます。
薬物療法
患者さんの症状や原因に応じて、適切な薬を処方します。
主な薬物
- 消化管運動機能改善薬
- 胃酸分泌抑制薬
- 抗不安薬
- ピロリ菌の除菌のための薬
生活習慣の改善指導
- よく噛み、ゆっくり食べ、食べ過ぎない
- 消化にいいものを選んで食べる
- 睡眠を十分にとる
- ストレスをためないようにする
など